晴れた日の桜を、二人で眺めながら散歩

晴れた日の桜を、二人で眺めながら散歩

晴れた日の桜を、二人で眺めながら散歩

毎年楽しみにしていることがある。
自宅から歩いて行ける距離にある滅茶苦茶大きくて長い公園の花見。
花見というとだいたい4月の早い時期から中盤くらいかなと思うけれど、
私が住んでいるところは5月に入るかどうかという時期でやっと桜が見ごろを迎える。
しかも運悪くその時期は晴れることが少なくて、満開翌日に雨が降って散るなんてこともざらにある話だ。
 今年は珍しく晴れた日が多くて、綺麗な青空が見えるなかでのお花見だ。
花見と言っても、別に弁当を持って行くわけでもなければ桜の下で座って大勢で談笑なんてこともしない。
一人でただひたすら桜が続く公園の横を歩くだけ。
花見は書いて字の如く花を見るものだと思っているから、桜の下でドンチャン騒いで飲み食いしたいとは思わない。
ただ静かに桜の美しさに見惚れていれば、それで良いと思っている。
例年そうだし、風情を台無しにするような真似は極力避けるようにしていた。
だから桜祭りと称して屋台が並ぶのはそんなに好きではないし、うっかり知り合いに会ったりしたら気まずい。
だから、普段は一人でのんびり桜を眺めながら歩くだけだった。
 けど、今年はいつもとは少し違った。
静かに桜が咲く公園の横を歩くだけなのは変わらないけれど、隣に一緒に歩く人が居た。
何年も付き合っている大事な恋人。そんなに騒ぐのが好きじゃない人だから、一緒に歩いても良いと思った。

実際、一緒に歩く時騒ぐことはなくて、ただ「桜綺麗だね」なんて言いながら笑っていた。
結構遠い距離をひたすら一緒に歩いて、時々立ち止まって花弁を拾ったりして。
誰かとこうして花見をするのも悪くない、寧ろ楽しいと思った。
 花見が終わって家に戻った後は、「綺麗だったね」「来年も見に来ようね」なんて言ってまた笑い合った。
晴れていたからじゃなく、別の意味であたたかい一日だった。
来年のお花見も、この日のように晴れていてくれたら良いな。